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マイルとは:仕組み・計算方法・使い方、マイレージサービスの歴史など。

投稿日:2016年7月15日 更新日:

マイルって何気なく言ってるけど、「飛行機に乗れば貯まるポイント」くらいの認識しかない。
そんなあなたに贈るHowToマイルです。





英語における「mile」

mile mάɪl 可算名詞(複数形 ~s/-z/)
ヤード・ポンド法における長さの単位。1マイル=1,609メートル、1,760ヤード
ちなみに、地球一周は24854マイルらしいです。

nautical mile nˈɔːṭɪk(ə)l mάɪl
日本語では海里。飛行機や船で用いられる距離を表す単位。1海里=1,852メートル、2025ヤード

mileage mάɪlɪdʒ 不可算名詞
(走行・飛行した)総マイル数

サービスとしての「マイル」

日本で普及している「マイレージサービス」という単語は、外国では基本通じません。
諸外国では、「Frequent flyer program」です。カタカナで書くと、フリークエントフライヤープログラム。
なぜか日本に輸入された際に、「マイレージサービス」となったようです。またお得意の和製英語ですよ、腹立たしい。

frequentとは「頻繁な、常連の」
flyer(=flier)とは「飛行機を利用する人」という意味になります。
普段の会話で「マイル」が登場するときは、ほぼ「航空会社のマイレージサービスのポイントの単位」だと思います。
マイルが私たちに「ポイント」として認識されるに至るまでには、いったいどんなドラマがあったのでしょうか。

マイレージサービスの歴史

アメリカの航空各社は、1978年の規制緩和の後、悪化した業績を改善させるための顧客サービスを必要としていました。

1979年、アメリカン航空の広告代理店が、銀行が顧客に景品を提供し新規口座の開拓をしていることにヒントを得、サービスを提案。
頻繁に飛行機を利用する客(Frequent flyer)に、あまり馴染みのないファーストクラスを利用してもらえれば、もっと旅行に行く回数が増えるという試みだったようです。

1981年5月1日、 アメリカン航空のAdmiral's Clubs会員約6万人、American Travelerプログラム会員13万人に、お知らせを発行しAAdvantage番号を付与、AAdvantageプログラムを開始。
これが世界初のマイレージサービスとなりました。

その後アメリカンエキスプレスの顧客リストを購入したことにより、多くの新会員がプログラムに参加しました。

初期のかわったサービス

・ダラス・フォートワースの出発便に「AAdvantage Happy Hour」
AAdvantageカードを提示すると、2杯目のお酒が無料で呑めるサービス。

・曜日ボーナス
火曜日または土曜日の飛行には特別ボーナスマイルが加算されるサービス。

・クルーズマイル
オランダ―アメリカ間クルーズの、総巡航走行距離によってマイルを獲得することができるというサービス。

・1981年から1982年のプログラム特典一覧
12,000マイル - 1クラスのアップグレード
20,000マイル - 往復航空券の25%割引
30,000マイル - 往復航空券の50%割引
40,000マイル - 往復航空券の75%割引
50,000マイル - 無料のファーストクラスの往復航空券1枚と同行者のファーストクラスのアップグレード
75,000マイル - 2枚の無料ファーストクラスのチケット

1983年の6月、フロンティア航空がAAdvantageに参加し、マイル積算と特典交換を提供(1985年3月に脱退)。

1986年にカンタス航空、パンナム航空が参加(パンナム航空は、経営悪化により数年後に離脱。カンタスのその後は不明)。

時は遡って1981年の秋、ユナイテッド航空は、6回の旅行で1回の無料旅行をプレゼントするというサービスを提供。
AAdvantage開始のわずか6日後に、マイレージサービス「mileage plus」を開始。

1990年代に入ると、航空会社連合(アライアンス)の設立などがはじまり、それに伴いマイレージサービスの共通化の動きも活発になってきました。

日本では、アメリカにだいぶ遅れて1997年からサービスを開始(JAL、ANAとも)。

2012年3月 ソラチカカード誕生。

サービスの概要

マイルを貯める

航空会社のプログラムサービスに入会し、顧客番号を割り振られたカードを発行される。
同居家族の合算が可能な航空会社もありますが、基本的には個人の搭乗により、その個人に積算されるポイント=マイル。

搭乗手続きの際に顧客番号が付与されたカード提示を行うか、予約時に顧客番号を伝えることにより、顧客の搭乗を登録します。
その後、実際の搭乗が確認でき次第マイルが積算されます。搭乗後に登録することも可能。

マイレージサービスを提携している航空会社同士で積算することも可能ですが、数か月かかることも。

航空会社によってルールは異なりますが、座席クラス等によって加算割合がかわります。
当然、クラスが高いほど(エコノミークラスよりビジネスクラス、ビジネスクラスよりファーストクラス)加算割合は高くなります。
また、キャンペーンによりプラスアルファの加算がされたり、 反対に、激安航空券などではマイル積算がまったくないということも。

米系の航空会社では、自社便利用については飛行距離ではなく航空券の支払い金額に応じてマイルを加算する方式に変化しています。
そもそも金額に関係なく、乗った距離で顧客の優先度を決定するという制度がおかしかったのであって
支払った金額に応じて顧客のランクを決定する流れは、当然といえば当然でしょうね。

マイルを使う

マイルを使用する方法は、主に「特典航空券との引き換え」「座席クラスのアップグレード」
航空券取得のための基準マイルは、地域ごとに分かれていて
その地域は、日本からだと、アジアや北米・ヨーロッパ、アメリカ・・・などかなり大まかな区分になっています。

そのため、区分の中で最も遠い空港へ行くのがいちばん金銭的にメリットがあります。
遠さだけで選ぶひともあんまりいないかと思いますが。

また、クラスが上の方が1マイル当たりの価値が高くなりますので
エコノミークラスよりビジネスクラス、ビジネスクラスよりファーストクラスの方がマイルの利用価値では上です。
有償で航空券を購入したと考えると、ファーストクラスなら1マイルあたり数十円の価値となることも。

完全無料で飛行機に乗れるかというとそうではなく、特典航空券の発券に際して発券手数料や諸税・燃油サーチャージを支払うことが必要な場合が多く
無料航空券の場合でも何らかの支払いを伴います。

購入したエコノミークラスの航空券をビジネスクラス、または購入したビジネスクラスの航空券をファーストクラスへと
座席クラスのアップグレードのみにマイルを使用する使い方もあります。
この場合は、1ランク上のクラスに変更するのみです(エコノミーからファーストへという、2段階のアップグレードは不可)。

そのほか、航空会社のオリジナル商品などとマイルの交換ができるサービスや他社のポイントへ交換するサービスも用意されています。
1マイルの価値でいうと、あまりおすすめはできません。

マイルの有効期限

航空会社により異なりますが、日系のJALとANAは共に3年間
マイレージサービスの始祖アメリカン航空では18か月ですが、サービスの利用により延長可能となっています。

通常、マイル引き換えによる航空券予約には座席数制限が設けられています。
このことから混雑時期・人気路線では、予約がとりにくいことが多いです。

この不満を解消するため、航空会社では独自に使用できる電子通貨をマイルと交換するサービスを行っていたりします。
例:ANAのskyコイン

航空会社以外のサービス

有名どころでは、「ETCマイレージサービス」でしょうか。
こちらはよくあるポイントサービスと同じで、「支払った金額に応じて」ポイントがつきます。

みずほ銀行でも「みずほマイレージサービス」があります。
こちらは銀行なので、取引状況によりサービス(ATM手数料無料など)が受けられます。

まとめ

マイルの歴史は、1981年から35年ほど。
きっかけはアメリカの航空規制緩和。
マイラーたちは当時のカーター大統領に感謝!

意外とマイルに関する書籍は少なく、あっても2013年初版だったりします。
マイレージサービスは変更がいろいろと多く、ちょっと前の情報でもあてにならないので「マイルを貯めるための最新マイル本」は2017年現在だとほぼないと言えます。

乗り物としてのお話だと、パラダイス山元さんが執筆された本がとても面白かったですね。
この本を読んですぐオホーツク紋別タッチを実行しようと、ANAの予約をしたバカは私です。
詳しくはこちらです↓

オホーツク紋別空港
ANAで行く、羽田―オホーツク紋別空港 流氷タッチ!(流氷は見られませんでした)

羽田空港から1日1便だけ出ている、ANA375 オホーツク紋別行きに乗ってきました。 乗ってきた飛行機にまた乗って、羽田へ帰ってきました。 いわゆる「タッチ」というやつです。本日は、そんなお話です。 ...

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まだ手に取ったことのない方は是非どうぞ。

一般市民は「目的地にたどり着くため」あるいは「上級会員になるため」に飛行機に乗るという志の低い利用の仕方だと思いますが
パラダイス山元氏レベルになると、「飛行機に乗るため」に飛行機に乗っているんですね。
出だしからすごい『とりたてて用事はなかったのですが、フランクフルトに行ってきました。』
世界サンタクロース会議からの帰路は、
『コペンハーゲン―オスロ―ヘルシンキ―ストックホルム―パリ―ウィーン―フランクフルト―カイロ―イスタンブール―ムンバイ―成田』
もう意味がわからないですね。

具体的なマイルの貯め方が書かれている戦略的な本ではありませんが、読むと不思議と飛行機に乗りたくなる本です。
坂上の場合、搭乗日前日になって後悔することになるんですが。飛行機怖い!





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